各議会の議案概要
各議会の議案概要

令和5年6月定例会の議案

2024年7月6日

議案1号 市税条例の一部改正

 令和5年度税制改正に伴う地方税法の改正を条例に反映させたもの。市民生活に影響のあると思われるものは大きく3点あり、一つ目は、今年度から森林環境税が新設され、住民税均等割に1,000円が課税される。地方税に上乗せされる形だが国税であり、国庫に入ったのち、森林面積、林業従事者数などにより算定されて、森林環境譲与税として地方に交付される(1,800万円と推定)。これまでは復興税として収めていたものが形を変えるので増税ではない。

二つ目は、道路交通法の改正で令和5年7月1日から電動キックボードが「特定小型原動機付自転車」、つまり原付の仲間として位置付けられたので、ナンバープレートをつけて年額2,000円の税金を印西市に払うことになる。施行は7月1日から。

三つ目は、大規模改修で特定優良マンションの認定を受けると、各区分所有者の固定資産税が3分の1に軽減されるというもので、全国的に築40年を超え管理が不十分のマンションが増えているため設けられた特例制度。軽減幅は地方税法の「わがまち特例」が適用されており、2分の1~6分の1の間で独自に設定でき、印西市は「横並び」選択して3分の1とした。施行は令和6年1月1日から。。

議案2号 こども家庭庁設置に伴う整理条例の制定

 整理条例の制定で、「子ども・子育て会議設置条例」と「家庭的保育事業の設備及び運営基準条例」の2条例を一部改正する。内容は条例中で引用されている子ども・子育て支援法の条項ずれの整理と、こども家庭庁が内閣府所管になるために保育指針の制定者が厚生労働大臣から内閣総理大臣になる。

議案3号 特定教育・保育施設、特定地域型保育事業の運営基準条例の一部改正

議案2号と同様の趣旨・内容の一部改正。「保育指針」は厚生労働大臣から内閣総理大臣に所管替えとなるが、「幼稚園教育要領」は引き続き文部科学大臣が定めることになっており、こども家庭庁が出来ても、たぶん大事なところはほとんど変わらないだろうと思う。

議案4号 子ども発達センターの設置管理条例の一部改正

子ども発達センターを、児童福祉法の改正で市に必置義務となっていた「児童発達支援センター」とするための一部改正。子ども発達センターは特別支援の必要な未就学のお子さんが通園する施設として設置され、すでに児童発達支援事業(未就学児の通所)は行われているが、さらに「保育所等訪問支援」と「障害児相談支援」が必須で追加となる。委員会での審査では、訪問支援相談員は1人配置が基準だが2人配置した、相談支援は2人専従だが5人は有資格者がいる等、いちおう県による「事業所指定」の必要要件を満たしているという説明だった。

 民間の児童発達支援事業所はすでに市内に10か所以上あり、民間と同じ指定基準を今さら満たしていても……と思う。市に求められているのは、児童発達支援の「中核センター」で、民間事業所を統括する指導的役割が求められているわけだが、正直いって民間の療育スキルのほうが高く、今のままでは、訪問しても役に立たないと言われそうだ。これまでの役割の検証や、自ら行っている療育の評価をしっかりとして看板を掲げてほしい。

議案5号 急傾斜地崩壊対策事業分担金徴収条例の一部改正

県が指定する急傾斜地崩壊危険区域の対策工事は、工事費の9割を県が負担し、残りの1割を市と受益者(住民)が半分ずつ負担することになっている。その仕組みを規定した条例中に引用されている「宅地造成等規制法」が「宅地造成及び特定盛土等規制法」に改正されたことから、表記を改正した。熱海の違法盛土の事件から特定盛土規制が追加された。印西市内には、特定盛土はないが、急傾斜地は7か所指定されており、うち2か所の対策工事が未完となっている。

議案6号 都市公園条例及び公民館の設置管理条例の一部改正

「公共施設予約システム」でオンライン予約した公園施設(野球場、テニスコート、フットサル場など)や公民館の利用料支払いにクレジットカード決済を10月から導入する改正。現在は公園施設や公民館は、市ホームページから公共施設予約システムでオンライン予約はできるが、条例で定められた期間内に窓口に足を運んで支払いをしなくてはならないが、支払いのためにわざわざ出かけなくてもよいことになる。しかし、オンライン予約・決済のためには、施設ごとに利用者登録をする必要があるのはかわらない(つまり、必ず一度は出かけなくてはならない)。また、施設ごとにバラバラの予約条件が見直されるわけではない。

例えば、公民館は「使用日の月の2か月前の月の9日~使用日の3日前(登録者は使用日の月の2か月前の月の1日~7日も可になる)」が予約可能な期間となっている。つまり、3日前までに予約する必要があり、たとえ部屋が空いていても「今日これから貸してほしい」には対応してもらえない。利用の公平性のためという理由だそうだが、コミュニティセンターや公園施設は「今日これから」でも空いていれば貸してくれる。また、公民館は一度納入した使用料は返してもらえない。つまりキャンセル料は100%ということになるので、急に一週間延びたというような場合は、2回分を支払わなくてはならない。しかし、フットサル場などは、返金にも対応している。そもそも草深ふれあい市民センターなどように無料の施設もあり、同じ公共施設で、予約条件や利用条件が違っているのは市民に説明がつかないのではないかと思う。

この点を質疑したが、今回の担当課(DX推進)では、「それぞれの所管課で検討してもらいたい」という立場だった。行革の面からも見直すべきだ。

議案7号 木下交流の杜広場設置管理条例の一部改正

 木下駅南口のデキシー跡地を「木下駅前にぎわい広場」として設置するにあたって、「木下交流の杜広場」とあわせて二つを「市民広場」として、条例名を「市民広場設置管理条例」に変更した。木下駅近辺にはもう一つ「きおろし水辺の広場」があったはず。自治法上の設置規定も同じ、にぎわい創出や市民交流が目的なのは同じ。なぜ統合されなかったのか謎。

 デキシー跡地の活用については、たしか市民参加の検討組織を立ち上げるという答弁があったように記憶していますが、立ち上げられることなく、とりあえず広場という感じでしょうか。木下駅圏には条例設置だけで3広場、市民団体がとても丁寧に手入れしてくださっているひょうたん池の広場など資源が豊富。

議案8号 一般会計補正予算(3号)

7億6,644万円を増額する補正予算。増額の内容としては、千葉県の事業で子ども一人に1万円を給付する「子どもの成長応援臨時給付金」として1億2,295万円(全額県費)、高校生等医療費助成で約5千万円、PayPayでの5千円の買い物に1000ポイント還元される「キャッシュレス決済ポイント還元」に1億3,260万円(キャンペーン第一弾は市内中小店舗、第二弾は全店舗)、道路や橋梁の維持補修の国庫補助減額分を一般財源で補填する1億1,237万円、原小の第2運動場整備費等で1億5,163万円、学校給食の賄材料費の補填として約9千万円など。約7億円を財政調整基金を取り崩す。また、債務負担行為で原小第2運動場の体育倉庫(トイレ、更衣室)のリース契約金が追加されている。

議案9号 国民健康保険特別会計補正予算(2号)

今年度の県への納付金(平成30年度から財政運営を県が一元化している)が確定したことによる補正予算。後期高齢者支援分、介護納付金分は減額だったが医療給付分が2,676万円増えて、全体で1,291.6万円増額となった。医療給付費は県全体で増加傾向。財源は、財政調整基金を全額取り崩し、残余は一般会計からの繰入金となっている。

議案10号 財産の取得

庁舎内で職員が使う業務用パソコン448台の買い替え。市役所では5年の保守期間が過ぎたものから順次買い替えている。448台のうち庁内LANのネットワークにつなぐものは287台、マイナンバー関係などネットワークにつながないものが161台という内訳で、データ移行等は基本的に職員本人がやっているという。

取得は制限付き一般競争入札で、いつも通り大崎コンピュータエンジニアリングが落札。落札率は47.6%で単価は113,149円だった。予定価格の単価が約24万円で、実勢価格とかけ離れすぎているという問題提起があって反対者があった。

議案11号 財産の取得

消防団の小型ポンプ車3台の購入。平成21年度から毎年3台ずつ買い替える計画がまだ進行中で、来年度(令和6年度は2台)で終了となる。制限付き一般競争入札で、参加業者が入れ替わるものの、特定の2業者が交替で来札しており、今年度も予想された業者が落札している。その状況は「認識している」が、「競争の結果」との答弁。

議案12号 財産の取得

教職員用パソコン727台の買い替え。庁用パソコンと同じく5年の保守期間切れでの買い替えで、パソコンのほかにワープロソフト727、ラベル作成ソフト30、共有サーバは1校に1台で27台も一緒に買い替える。落札者は大崎コンピュータエンジニアリングで、落札率は76.5%。パソコンの単価は92,700円とのこと。

議案13号 財産の取得

新高花学校給食センターで使用する調理器具、食器食缶一式を1億1,750万円で、中央学校給食センターに納入した千葉市の中西製作所から購入する。新高花給食センターは3千食対応で、開所後は、MAXで2,650食の調理を行う想定になっていて、食器類は2,700セットの購入になっている(ほんとに足りるのか?)。制限付き一般競争入札で、落札率は95.8%だった。

議案14号 指定管理者の指定

旧永治小学校跡をリフォームして「高齢者就労支援センター」とすることは、昨年の9月定例会で設置管理条例が可決し、工事契約も可決しているが、同センターの管理者は予想通り「シルバー人材センター」となった。指定管理者を公募して2者が説明会に参加したものの申請はシルバー人材センターだけだったという。審査では高齢者就労支援センターの課題と、シルバー人材センターの課題が整理されないままごちゃごちゃで審査されている感じがあり、すでに何が正解かわからない様相だった。

そもそも高齢者就労支援センターはシルバー人材センターの事務所としてつくったものなので、今さらシルバー人材センターでいいのかと言っても遅いような気がする。高齢者が利用するのにシルバー人材センターの位置はここでいいのか、シルバー人材センターの事業はまだまだ改善できること、時勢にあった内容としていくことはあるのではないかと思う。広くなったセンターでぜひ課題を進めてほしいと思う。

請願 給水区域拡大に関する請願書

 市営水道は市街化区域、都市決定区域を「給水区域」としているが、それを全市域に広げてほしいと要望する請願。紹介議員は中澤俊介議員、賛同として各会派の代表者が名前を連ねた。草深原地区に代表されるようにニュータウン地区の縁辺部が40戸連たん制度によりじわじわと開発されて新しい住宅地が広がっているが、市街化調整区域なので上下水道はない。せめて上水道の区域として水道を敷いてほしいという要望。

しかし、よく考えると、さらにいっそう調整区域への宅地開発を促進することにならないか。現にそこで生活している人のことを考えてというより、請願者はそれを望んでいるのではないかという思いをぬぐえず、反対した。草深原地区の開発を抑制すべきとしている議員も賛成したが、なんだか矛盾してはいないか。

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